コラム

第29回ジャパンC(GⅠ)

今週は国際招待競走・ジャパンCが行われる。日本で最高の賞金額を誇るレースに、
今年も国内外から豪華メンバーが集結した。ウオッカの復活はあるのか、3歳馬が古馬を制圧するのか、はたまた外国馬の刺客が制するのか…。
激戦の好レースが期待される。
ウオッカ
前走の天皇賞(秋)③着は、流れのわりには位置取りが後方となり、
上がり3ハロンは勝ったカンパニーと同じ32秒9の脚を使ったものの届かずという内容。一時は引退も取り沙汰されたが、
決して能力が落ちたということはないだろう。
このレースには3年連続での参戦となるが、一昨年が④着、昨年は③着とあと一歩のところで涙を呑んでいる。
2000mを超える距離はダービーを勝ったのみで良績を残せていないが、得意の東京コースならそれも相殺できるはず。「引退も」
の報道が出た時の角居師のコメントが「あまり負けさせるのもかわいそう」というものなら、
出走するのであれば勝ち負けの期待をかけられるということだろう。鞍上はルメール騎手にスイッチ。最強女王の名にかけて、
このままでは終われない。
オウケンブルースリ
前走は③着のウオッカから3馬身離された④着だが、「距離不適」が囁かれた中でのものだけに力負けではないはず。
むしろ瞬発力勝負向きでない馬がスローの流れを後方から追い込めたことを評価すべきだろう。
昨年のこのレースでは、菊花賞を制覇後初めて古馬の一線級と戦って見せ場十分の⑤着。今年はさらなる活躍が期待されていたが、
春の故障などもあってその評価に見合う成績が残せないでいる。距離延長、叩き3戦目で上昇も見込めるなら、昨年以上の結果を期待できる。
スクリーンヒーロー
昨年の覇者だが、その後は精彩を欠く競馬が続き、4ヶ月の休養明けで迎えた前走の天皇賞(秋)では7番人気の低評価。
馬体重もプラス12キロとやや余裕を残した造りだったが、このレースから着用したブリンカーの効果か、
行きっぷりが格段に良くなり直線でも手応え十分。最後はカンパニーの末脚に屈したが、ウオッカに先着を許さなかったのは立派。
やはり得意の東京コースでは注意しなければいけない存在だったということだろう。
昨年の勝ちタイムが2分25秒5。過去10年のジャパンC(中山で行われた02年、重馬場の03年は除く)では2番目に遅い数字だが、
前走で2000mを1分57秒台で駆けられたように、今なら時計勝負も対応可能。
ディフェンディングチャンピオンが連覇を十分狙える位置に上昇してきた。
レッドディザイア
秋華賞は意地でもぎ取った勝利だった。桜花賞で半馬身あったブエナビスタとの差は、オークスではハナまで近づいていた。
3度目の対戦では何としても先着したいという陣営の思いが結実しての先頭ゴール。ブエナは③着に降着となったものの、
レース史上に残る名勝負であったことは間違いないだろう。
次走に予定されていたエリザベス女王杯で4度目の対戦となるはずだったが、秋華賞を極限の仕上げで使ったことで
「万全の状態で出走させるため間隔を取れるジャパンCへ」(松永幹師)、矛先を向けてきた。初めての牡馬、古馬との対戦は容易ではないが、
今の実力でどこまでやれるか、注目したい。
ロジユニヴァース
いよいよダービー馬が復帰する。前走後は放牧に出されていたが、調整の遅れもあって早くから菊花賞の出走回避を表明していた。
帰厩したのはトライアル戦線が始まる頃の9月12日。目標にこのジャパンCを置き、1回叩く場合はアルゼンチン共和国杯を予定していたが、
万全を期して初戦はここ一本の選択となった。
それによって順調に調教を消化できたことはプラスだろうが、約半年もの休養明けでこのレースに挑んだ馬はここ数年で皆無。
もちろん古馬との対戦も初めてで、まずは様子見といきたいところだが、3歳の頂点を極めた馬にそのような言い訳は通用しない。
出走してくる以上はダービー馬として恥ずかしくない競馬を見せてもらいたい。
インターパテイション(米)
セン7歳、50戦6勝。前走のJ.H.ターフクラシック招待SがG1初制覇。それまで重賞勝ちもなく、当日は最低人気での出走だったが、
このレースは一昨年③着、昨年②着と相性のいいレースでもあった。
父はDanzig直仔のLangfuhr。日本では短距離戦線で活躍するダイワマックワンなどが産駒にいる。
母の父ハビトニーは日本に輸入されており、同じ母の父として有名なのがナイスネイチャ。全く日本に合わない血統ではないが、
このメンバーで勝ち負けするほどの実力があるかは疑問。
コンデュイット(英)
牡4歳、14戦7勝。今年の招待馬の目玉はこの馬だろう。前走のブリーダーズCターフで同レース2連覇を達成。さらに今年は、
以前にはハーツクライなども参戦した「キングジョージ」を制するなどG1はこれまでに4勝を挙げている。
問題は日本の芝適性。血統的には欧州型で高速馬場への対応には疑問も残るが、
前出のBCターフ(12ハロン=2400m)では2年連続で2分23秒台をマークしており心配はないかもしれない。
ここが引退レースの予定で、来年からは日本で種牡馬入りすることも決定している。
ジャストアズウェル(米)
牡6歳、20戦5勝。今年に入ってから頭角を現し、前々走のノーザンダンサーターフS(加G1)では繰り上がりながらもG1初制覇を決めた。
しかし前走のカナディアン国際Sでは④着マーシュサイドから7馬身近く離れた⑤着に敗れており、対戦比較からは苦戦が予想される。
父A.P.Indy、母の父Nureyevはともに日本でもおなじみの種牡馬。どちらも短距離タイプの馬なだけに距離には不安を感じるが、
G1勝ちが同じ2400mでのものならその心配は無用かもしれない。
シンティロ(英)
牡4歳、26戦5勝。2歳時にグランクリテリウム(伊G1)を制したが、3歳の昨年は未勝利に終わる。今年に入って復調気配を見せG2、
G3で勝利するものの、3走前のサンクルー大賞(仏G1)、2走前の「キングジョージ」(英G1)では大敗。
前走のコンセイユドゥパリ賞(仏G2)も勝ち馬から3秒以上離れた大差負けを喫するなど、近走は苦戦を強いられている。
父は2000年のジャパンCで来日し、テイエムオペラオー・メイショウドトウと接戦の末③着に敗れたFantastic Light。
産駒には京成杯を買ったジャリスコライトなどがおり日本の馬場への適性は十分だが、馬の力量的には一枚落ちるだけに勝ち負けの期待はどうか。
マーシュサイド(米)
牡6歳、24戦5勝。昨年も来日したが、レース前日に無念の出走取消。昨年のカナディアン国際S(加G1)以来勝ち鞍から遠ざかっているが、
2走前のノーザンダンサーターフS(加G1)は1位入線も降着処分。ドバイシーマクラシック(首G1)で⑤着、
連覇を狙った前走のカナディアン国際Sでは④着など善戦は続けている。
父Gone Westの産駒は日本でも外国産馬として多く入ってきている。
ザフォリア(京都4歳特別=現在は廃止)やスイートオーキッド(クリスタルC=現在は廃止)など芝での活躍馬も出していたが、
近年ではビクトリーテツニー(カペラS)に代表されるように、ダートを主戦場とする馬が多い。
11月29日
東京競馬場
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